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「戦争は、終わる事はない」
第3〜第4シーズンという、もっとも脂がのりきっていた時期に作られた25話〜28話を収録。
「権力の墓穴」はロス市警本部次長、つまりコロンボの上司が犯人としてコロンボと対決。演じるは、近年ではジュラシックパークのガイドの声で知られる故リチャード・カイリーで、日本語の吹き替えは北村和夫という渋い人選。

「自縛の紐」はロバート・コンラッド演じるスポーツクラブのオーナーが持ち前の体力でコロンボに挑む。珍しくコロンボが怒りを爆発させる場面も。
「逆転の構図」は喜劇俳優のディック・ヴァン・ダイクが冷血な殺人犯役を好演。救済食堂のシスター役のジョイス・ヴァン・パタンは39話「黄金のバックル」では犯人役。

「祝砲の挽歌」は陸軍幼年学校で起きた殺人事件に、コロンボが生徒達と寝起きを共にして解決に当たる。ほとんどBGMが流れない演出、パトリック・マッグーハン（声：佐野浅夫）演じる無表情な幼年学校校長が厳格な雰囲気を作り上げている。マッグーハンはこの作品でエミー賞を受賞。

「ここまで、ここを過ぎず」
6シーズン続いた「NBCミステリー・ムービー」が打ち切りとなり、単発のTVムービーとして放送された最終第7シーズンの全5作品を収録。

このシーズンのプロデューサーを務めたリチャード・アラン・シモンズは、犯人の背景の描写に重きを置いており、それが最も反映された作品が「秒読みの殺人」である。終盤の、トリッシュ・バン・デバー（吹き替えは「あの」ミセス・コロンボの寺田路恵！）演じる犯人の焦燥ぶりが作品に緊迫感を与えている。

他の4作。「死者のメッセージ」のルース・ゴードンは放送当時79歳で、シリーズの犯人役では最高齢。「美食の報酬」では、のちに「羊たちの沈黙」でアカデミー賞を受賞するジョナサン・デミが監督。日本では最後に放映された「攻撃命令」は、ストーリーの中にちりばめられる往年の名作映画ネタが楽しい。そして最終回「策謀の結末」だが、この作品のみ吹き替えが小池朝雄ではなく石田太郎になっている。残念…

コロンボの作品の中でも最高の１つでしょ
このセットの中の「別れのワイン」はコロンボの多くの名作の中でも最高の１つでしょう。ワイナリーのオーナー（ドナルド・プレザンス）の完全犯罪をコロンボが打ち破る。いつもストーリー展開であるものの、

細部のディテールには多くのこだわりがあります。個人的には最も好きな作品です。もしあなたがちょっとでもワイン好きなら、この作品は大いにハマることうけあいです。最後のシーンも素晴らしい！
｛すいません他の「野望の果て」もいいんですが、このパックは「別れのワイン」で十分です。｝

なつかしい20年前の大学での英語教材
収録作品のひとつである「殺しの序曲」は、ちょうど20年前に母校の大学で米国人の先生の解説のもと、半年間の間に幾度となくリピートしてヒアリングを繰り返した作品です。当時はＤＶＤなどという便利なモノはなかったので、オーディオテープが擦り切れんばかりに繰り返して聞きました。この度、思わず、懐かしさがこみあげ、買ってしまいましたが、英語字幕をつけたり、消したり、思いのままにできるＤＶＤを手にして、今の学生さんがとてもうらやましく感じられました。 ここで「殺しの序曲」に出てくるクイズをご紹介しましょう。３つの袋にそれぞれたくさんの金貨が入っています。ただし、そのうち１つの袋の金貨だけはニセモノだけ入っており、ホンモノは１個あたり１キログラム、ニセモノは1個あたり１．１キログラムの重さがあります。１回だけ、重さを量ることによって、３つの袋のうち、どの袋がニセモノの金貨が入っている袋かを見分けるには、どうしたらよいでしょうか。 答えをお知りになりたい方は、本編でコロンボ警部に教わってください。
「もうちょい、やらせてもらうよ、もうちょい」
マッグーハン監督によるシリーズ最大の異色作「さらば提督」。最後の最後まで犯人が分からない展開。倒叙モノの原則を崩したこの作品は、ファンの間で賛否両論を呼んでいる。

他の3作品は、フォークの映画撮影のため3作しか作られなかった第6シーズンの作品。「ルーサン警部の犯罪」はカーク船長役で知られるウィリアム・シャトナーがごう慢なTVスターを演じる、ある種セルフパロディ的な作品。「黄金のバックル」では、コロンボが散髪されてしまう。

「殺しの序曲」は、第7シーズンのプロデューサー、リチャード・アラン・シモンズの第1作。